+−CLASS ROOM×÷
気付けば俺らが下りる駅に着いていた。

話していれば2駅なんてあっという間だ。


「茗ここから歩き?」

「ううん、自転車!」

「俺歩きだから、チャリ置場までついてくよ」


少しでも長く、一緒にいたかった。



チャリ置場へ向かう途中、気になっていたことを聞いてみた。


「なぁ、実はさっき一緒にいた男のどっちか彼氏だったり?」

「は!?」

「あ、違うの?」

「違うよぉ」


そう言って笑う茗に少し安心した。



……のも束の間。



「そうなれたらいいけどね?」


……え?

一瞬頭が真っ白になった。



そんな間にチャリ置場に着いて、茗は素早く準備をしチャリに乗った。


「ちょっと! いつまで黙ってんの? もしかして……やきもち!?」

「んな訳ないだろ!」


我に帰った俺は平静を装った。


「じゃぁまたね!そのうち集まろっ」


茗の足がペダルにかかる。


「あ、茗!俺……ッ


あー


……応援してる」


「ん? あ、ありがとう」


茗は突然の俺の台詞に驚いているようだった。



「……じゃぁまたな!」

「あ、うん、ばいばい!」


俺の笑顔に茗も笑顔で返してきた。



言えなかった。

好きな奴がいるって分かってんのに告んのは辛いだろ……。


当たって砕けろってよく言うけど、俺はこの関係を崩すのが恐かったんだ。




1本遅い電車に乗れば、きっとまた会えるだろう。


でも俺が乗るのは

明日も明後日もその次も



16:52発。


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