短い恋、大きな愛
最愛の人
魔界の屋敷から、人間界の屋敷に戻った。前と同じ離れに美弥との生活が再スタートした。
『秀長さん。』
部屋の外にダンボールなどを出していると、義母が声をかけてきた。
『何でしょうか?』
『お父様がお呼びですよ。』
『わかりました』
すぐに父の部屋に向かった。
『帰ってきたら、挨拶ぐらいしなさい。』
部屋に入るなり父に言われた。
『すみません。で、話は?』
早く話を終わらせないと、片付けが夕方までに終わらない。
『秀長に縁談が来てる。』
『縁談?』
冗談だろ?
俺には、美弥が……でも付き合ってる訳じゃあないが…俺にとって最愛の人だ…
『九条五月さんだ。知っているだろ?こないだまで同じ学校だったから。』
九条…中級の家だな……学校に居たっけ?
あっ…思い出した…五大貴族のファンクラブ会長のうざいやつだ…
『その縁談お断りします。』