短い恋、大きな愛
『秀長様…
悪魔たちにとって短い時間でしたけど…』
ゆっくりと美弥は話し出した。
美弥は腕を伸ばして、俺の頬に触れようとした。その手を優しく握った。
『秀長様に…出会ったこと…一緒に暮らしたこと……言葉にはしてくれなかったけど……』
美弥…もう話すな…
俺の目から涙が流れていた。
『…愛してくれていたこと…を嬉しく…思ってます……美弥は…絶対…忘れません……』
俺の涙が美弥の頬に落ちた。
『…美弥……死ぬな…』
俺を独りにしないでくれ…
砂が風で飛ばされていくように、美弥が消えていった。
最後に美弥は優しく…嬉しそうに…微笑んだ気がした…
手のひらに、小さな赤色の結晶が残った。
美弥の血の結晶が――…
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