エンジェルデビル
零一はあちこち探し回ったのか、肩で息をしている。
「れ、零一…」
マズい。パトロールに行くと言ってこうしてサボっているんだから、また目茶苦茶怒られる。
だが零一は大きなため息を吐いただけで、風牙の隣りに座った。
「あれ?怒んないの?」
「ああ。今日はそんな気分じゃないからな」
「へー。じゃあ零一も今日はサボりだな」
「お前と一緒にするな」
そう言う零一だが、今の零一の表情は何だか優しい。嬉しくて風牙も笑顔になった。
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