エンジェルデビル
「私ならもう来てるよ」
「……」
その声は確かにあの人の声だ。気付かなかった事に後悔しながらも、風牙は振り向けなかった。
「風牙、おはよう」
穏やかな挨拶に、風牙は冷や汗を流しながらゆっくりと振り返った。
そこに立っていたのは黒のスーツに身を包み、体格がよく、髪を肩まで伸ばしそれを後ろで一つに縛っている。そして腰には一本の愛刀。
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