エンジェルデビル
まだ四十前という年齢だが、黒崎総隊長は三十歳という若さで全ての軍をまとめる座についた。元々上司や部下からの信頼も熱かった事と、黒崎総隊長の強さを考えれば当然とも言える。風牙にとっても頼れる上司だ。
頼れるのだが、今はとても気まずい。
「お、おはようございます。黒崎総隊長…」
「ああ。風牙、今は何時かな?」
「えーっと…」
腕時計をチラッと確認する。
「八時二十分です…」
「今日で遅刻は何度目かな?」
「えーっと…」
「三十五回目でーす。蒼軍の副隊長になってから」
突然割り込んで来たのは、赤軍隊長。
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