エンジェルデビル
それは幻聴ではなく、確かにあの少年の声だ。
目を開けると、倉庫の入口に少年が息を切らせ立っていた。しかも、悪魔の姿だ。
「お前…何で」
どうしてここに…。何でその姿なんだ。
声を出したいが、驚きのあまり声が出せない。
「何だお前は!?」
悪魔が声を上げる。少年は零一をじっと見つめ、次に悪魔達を睨み付けた。その表情は怒りに満ちている。
「お前等…零一に何してんだ」
「ああ?何だお前…。殺してほしいか?」
「止めろ!子供だぞ!」
堪らず零一が叫ぶ。
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