恋人は隠れ既婚者【前編】
『ここから近い所に店あるから、そこでも良い?』
「うん!任せるよ」
彼と一緒なら何処だって良い。
ほんとに恋は不思議だ。
私達は近くの居酒屋に入った。
誘われたことが何より嬉しくて、でもそれを伝えられなくて…
歯痒い気持ちになった。
だけど彼の毒舌はいつもと変わらない。
むかつく…
でも気になる。
時には照れ臭そうに笑う彼を見ていると、少しでも距離を縮めたい、近付きたいって思ってしまう。