恋人は隠れ既婚者【前編】
翌日、職場に行くと…
『後で聞かせてね』
幸恵が近寄ってきて耳元で囁くから、私はニヤけてしまう顔を堪えて軽く頷いた。
昼休憩に入って携帯を見たら、彼からメールが来ていた。
『起きれたかぁ?俺は今から昼寝だ!』
『彼からメール?』
隣にいた幸恵が、またニヤついてる。
早速、幸恵に聞かれた。
私も幸恵に聞いてもらいたくて朝からウズウズしていたし、
その場にいたくみちゃんも加わって私の話を聞いてくれた。
『なんかぁ 二人共、イー感じよね〜♪』
「そういうのでもないんだって!友達みたいな感じだよ!」
――トモダチ…
越えられない壁がある。