恋人は隠れ既婚者【前編】
『やっぱりなぁ!説教ばばぁになるなよ?』
「ちょっと!誰が説教ばばぁなのよ!」
どうもふざけたメールになっちゃう。
やっぱり、電話した方が話が早い。
というより、声が聞きたい…
気付いたら彼に電話をかけていた。
ワンコールで聞けた声が、頭に浸透していく。
『寂しくなっちゃったの?』
「…なんでよ?」
あーあ。私って可愛くない!
寂しくなったのは図星じゃない?
『うっ可愛くねぇ!んじゃ切るよ?』
「まっ、待ってよ!」