恋人は隠れ既婚者【前編】


きっと、こんな私の想いには気付かない。


この微妙な距離感が、私の隠れた恋心を更に熱くしていた。


もっと隣に居たい。

もっと近付きたい。


片手を伸ばせば、触れられるのに遠く感じる距離。


「今日は何で来てくれたの?」


心の中で言えない言葉を呪文のように問い掛けていた。


苦手な遊園地に一緒に来てくれたことが、凄く嬉しかったんだ。


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