恋人は隠れ既婚者【前編】
さが兄の提案で打ち合わせしようということになり、近々会う約束をした。
もしかして、会う口実だったら…などと、淡い期待をしてしまう自分がいた。
それに…
やっぱり待っていられなかったか…と幸恵に笑われ、
予定のデートスポットの話をすれば、更に冷やかされた。
『まるで彼氏と彼女みたいじゃない!』
「どうなんだろう?
彼的にはそんなのじゃないと思うよ」
したくない悲しい否定をした。