恋人は隠れ既婚者【前編】
週末、久しぶりに会った彼は遊園地に行った時と何も変わらなかった。
居酒屋で待ち合わせた私達はデートスポットについて、話をしていたけれど、なかなか日にちが決まらない。
結局、空けられそうな日がわかったら、連絡するということで、あっさりと彼との時間は終わった。
久々に会ったのに…
本当はもっと、もっと一緒にいたい。
強く思う自分の気持ちを抑えるのが精一杯だった。
ただ、私はさが兄への想いを募らせたまま、告白しようなんていう勇気はサラサラなかった。