恋人は隠れ既婚者【前編】
ちょうど彼から私の家の近くに着いたとメールが入った。
一ヶ月振りに会える嬉しさに、また女の顔になる。
車の窓を軽く叩いてドアを開けると、そこには一ヶ月振りに見る彼の姿。
『おお!久しぶりだな!元気だった?』
久しぶり…ということに、少しは気付いてくれてるんだ。
そんな言葉が会えた嬉しさを倍増させる。
彼は魔法の言葉を運んでくる。
「今日は何処行くの?」
『うーん、まだ6時過ぎだから都内まで行ってみようか?』
「うん!」
一時間くらいで着いた場所は…
見上げるほど高い東京タワー。