恋人は隠れ既婚者【前編】



待ち遠しかった旅行の出発日。


子供達は前日から実家に預けた。


親には誰と行くのか説明はしていたものの、心配する気持ちがわかるだけに心苦しかった。


さすがに恋をしていることを親には言えなくて、胸がチクチクした。





母親の顔と女の顔。


私はどちらの顔も持っていた。


それは両方とも私であって、

どちらも必要で大切なモノ。


だから譲れなかった。



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