恋人は隠れ既婚者【前編】
もしも…
万が一、妊娠していた時はどうしたらいいの?
運良く幸恵と一緒に昼休憩に入ることが出来た私は、お昼を食べる前に安心したい一心で、まず先にトイレに向かった。
「今、調べてくるから待ってて!」
『すぐわかるからね』
「うん。大丈夫!」
幸い休憩所とトイレが隣り合わせにあった。
心配そうな面持ちで、私を見届ける幸恵。
緊張する…
ふう…肩を揺るがせて息を吐き出した。
トイレで検査薬にオシッコをかける。
心臓が跳ね上がる…。
――絶句してしまった…