恋人は隠れ既婚者【前編】
彼から連絡が入ると、さっき病院で貰ったプリントを持って家を出た。
迎えに来た彼の車に乗っても、顔は見れなくて視線を合わせられない。
心の何処かで、ビクついているのだろうか。
それは何に対してなのか。
『何処で話そうか?お店に入って話す内容じゃないしね』
「何処でも良いよ」
少し車を走らせて近くのコンビニの駐車場に停めた。
コンビニで飲み物を買ってきて、それを飲みながら話し始めた。
「プリントを貰ってきたんだ」
彼が私から渡されたプリントに視線を落としていく。