恋人は隠れ既婚者【前編】
店長に体調が悪いことを話して、仕事を早退した。
彼にも何かあったらすぐ連絡してと、言われていたのでメールした。
家で横になってもお腹はチクチクと、まるで私を責めるように痛む。
責める?
いや、助けを求めていたのかもしれない。
私の赤ちゃんが、
私に訴えるように。
―ママ、助けて―
夕方、病院に電話をしたが、明日は手術なので今日は安静にしていて下さい…とのこと。
今夜、一晩だけ頑張って!
私の身体。私の赤ちゃん。
こんなママでごめんね。
あなたを救えなくてごめんね。
救えない命への罪の涙が止まらない。