恋人は隠れ既婚者【前編】
部屋のドアをノックする音とともに、
『失礼します』
静かにドアが開き、看護師さんが、私の様子を見に入って来る。
『ちょっと子宮口の開き具合を見ますから足を開いて下さい』
お腹を押さえながら、両足を開いた。
手袋をはめた指を入れられる。
「うっ…いたぁ…!」
全身に激痛が走って、思わず声が漏れる。
『大丈夫みたい。はい。もう良いですよ。そろそろ手術室に移動しましょうね』
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