恋人は隠れ既婚者【前編】

『みかさん、まゆみさん、ゆりさん』


…つ、ついに来た!


呼ばれた私は、ぎこちなく席を立ってボーイのあとを追う。


それから次から次へとテーブルを渡り歩き、移動を繰り返した。


もう何処のテーブルで、誰と何の話をしたのかなんて記憶にない。



一体、今は何時頃なのだろうか?



そして再びボーイに呼ばれた私が着いた席は…


二人組のお客だった。


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