恋人は隠れ既婚者【前編】
第三章
やり甲斐と欠けていくもの
あれから、失ってしまった小さい命のことを、考える時間がどんどん多くなっていった。
いくら考えても解決しないのに、どうしても自分を責めてしまう悪循環な考えばかり。
そんな私の気持ちを紛らすかのような出来事が起きた。
昼の職場で人事異動があった。
主任が他店舗へ店長として、パートリーダーのやっちゃんも他店舗へ。
主任の店長への昇格はおめでたいことだし、祝ってあげたい。
だけど、やっちゃんがこのお店を辞めて、他店舗へ行くというのはとても寂しかった。
私、幸恵、くみちゃんは落胆していた。