恋人は隠れ既婚者【前編】
最初の躓き
しばらく夜の仕事だけになりそうだ。
それから一ヶ月半の間、昼と夜が逆転した生活を続けていくことになった。
不安定な職業だから心配だけど、今はそんなことを言っている場合じゃない。
今の私には、この夜の仕事が貴重な収入源。
この頃から三年近くの間、必死に働かなくてはいけなかった。
生活の為に仕事をする母親…
寂しい想いをする子供達…
子供達のことを構ってあげたくても、構えなくなってしまったことが1番心が痛い。
この矛盾した思いのやり場が見つからない。
その代償は数年後の私に帰ってきた。
自分のしたことは、いつか形を変えてでも返ってくる。
私が生きてきた道で、
一体いくつ返ってきたのだろうか…。