恋人は隠れ既婚者【前編】
私のことを言ってるの?
お客の隣に座る店長がすかさず、私とお客を交互に見やった。
『あ〜ジョ―ちゃんのタイプかも…ゆりさんていうんだよ』
『店長〜!俺、今度からこの人にするよ。ねっ!ゆりさん!』
どう見ても私の方が年上じゃない?
お客の隣に座る店長がニヤつく顔で、私の反応を待っていた。
「あ〜はい…」
突然でわけがわからなかったけど、早く帰りたい一心だった私は、
とりあえずサラッとした返事をしてお店を後にした。
あの人はよく来るのかな?