恋人は隠れ既婚者【前編】
近頃の私はジョージくん以外の席に着くことが少ない。


ということは、恐ろしいことに今夜の私に仕事がない!


それに近い状況だ。


ここ数日間、梅雨時期のせいか店内が賑わうほどの満卓になることは少なかった。


あれから何分経ったかなぁ。


薄暗い店内で、揺れるライトの光りをぼんやりと見つめていた。


その時、店長がお客を連れてきたらしく、お店の入口辺りが騒がしくなった。


『あれ〜?暇そうじゃん!』


酔ったお客の声が店内に響く。


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