恋人は隠れ既婚者【前編】
視線が合った女の子が頷いた。


私はポーチから名刺を取り出すと、電話番号を書いて渡そうとした…


が、またしても言われてしまう。


追い打ちをかけるように…


『アドレスも書いてね!』


アドレス長いから面倒だなぁ。


それに言われっぱなしじゃ悔しい。


「ちゃんと私にも、教えて下さいねっ!」


『俺のは簡単だから、一度だけ言うから覚えるんだよ。
090―○○○○―○○○。

アドレスも番号だからね。ドコモ付ければ送れるから』


早過ぎて、わ、わかんない!!


わざと番号のところだけ早く言うなんて!


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