恋人は隠れ既婚者【前編】


ある日、いつものようにからかわれている時だった。


彼と私の意外な接点が見つかって驚く。


『この辺の出身?教えてよ』



「教えてくれたら教える!」


『はあ?お高くとまってんなぁ。俺は浩樹だよ。佐川浩樹』


「へぇ〜それで“さが兄”って呼ばれてるんだ。何歳だっけ?」


『その前に教えろ〜!約束だろ?』


「わ、わかったから!新堂博美だよ」


『知らないなぁ?俺の何コ下だっけ?』


「えーと…私が29歳だから…あっ、もうすぐ30だけど…」


『えっ?じゃあ3コ下だ。もっと上に見えたけど…』


ん?32歳ってこと?


初対面の時、確か36歳って言わなかった?



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