恋人は隠れ既婚者【前編】
一ヶ月ほど経ったある晩…
「さが兄」いわく『赤ジャージ』が飲みにやって来た。
最初、着かなかったけれど、あとから呼ばれた。
着きたくないと思っていると、呼ばれたりするものなんだ。
席に行くと今まで着いてた女の子が、壁際に座る彼の隣から外れたので、私はその空いた席に座ろうとした。
あらら?
彼がニヤニヤしながら、テーブルとテーブルをくっつけ始める。
彼が何の為にしているのか、わからなくて私は一瞬呆然と立ちつくす。