恋人は隠れ既婚者【前編】
お客と飲みに行くとかしたことがない私は、この時かなり焦ってしまった。
とりあえず…
「私にご馳走してくれるって話じゃなかった?」
『やっぱりなぁ!そう言うと思ったよ!そんでいつが良いの?』
いつって、聞かれてもまったく考えてなかったよ。
ヤバイどうしよう!!
壁に吊されたカレンダーを眺めながら考えた。
12月は職場の忘年会が入っていて、その他に子供達との約束もある。
だけど、今週末だけは空いていた。
「今週末なら空いてるけど?」
『いいよ!何が食べたいか考えといて〜じゃまた連絡してね!』
ほ、本当に行くんだ?