恋人は隠れ既婚者【前編】


無意識に見てしまう自分が恥ずかしくなった。


気を紛らすかのように二階を見上げる。


「ねえ、二階が空いたら二階に行きたい!」


そう私が言うと、彼はすぐに店員を呼んで、二階に通してもらえるよう頼んでくれた。


暫く経って私達は二階へ移動した。


見下ろす一階が丸見えで、ロデオに盛り上がるお客達の楽しそうな姿が目に入った。


「やっぱり二階も良いね!」


『そうだな』


穏やかな空気が向かい合う二人を包み込む。


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