月のヒカリ
あわい光
「なぁ、さかもっち。オレ、ベートーベン好きじゃナイって言ってるやん!!」
今日はピアノ練習日だ。幼い頃からよく辞めずに続けてると自分を誉めてやりたい。
「センセと呼べ。センセと!!」
去年金持ち大学を卒業して、同じピアノ教室の先輩から先生に格上げした、さかもっちはナマイキにも呼び方に文句を言う。
「知ってる。だから選んだんや。」
「いやがらせ?」
重ねて文句を言うと、もう知らん、と文句は流して楽譜を差し出してきた。
「え~!『月光』!?」
そして、よりによってオレの一番苦手な曲を・・・・
「やっぱ、嫌がらせ?」
なにもオレが嫌いなこの曲を選ばんでも・・・・!!
いじめなん?マジで!
「悪いな。選曲権はオレにあるんや」
ニヤリと笑った顔は、非常に嬉しそうでにくたらしい。
「つまらない曲だと、思っとんやろ?」
オレは大きくうなずいた。
出だしの単調なリズムとメリハリのないメロディは、おもんないし、最後はものすごい連打で弾くのめっちゃむずい。
聞いても弾いてもオレにあわん曲やと思うてる。
それに・・・・
「月ってあんなイメージやないやん!」
「そうか?お前は月見て、切なくならんか?
・・・オレはある。」
聞かれて、首をかしげたら、鼻さきで笑われた。
「コドモやなぁ。オマエは・・・・。
切ないほど綺麗な月を見上げた時に、『月光』を弾きたくなる日がくるんや。」
そういって、さかもっちはピアノ室の重いカーテンを開けた。
「今日は綺麗な満月やないか。
ちょうどいいから、歩いて帰れ!」
「え~!!」
確かに今日はそんなに遅い時間じゃないケド・・・。サムい!!
「さかもっち、デートやからなん?」
横目でヤユってみてもさかもっちは動じず、逆に
「匠海、高2にもなって甘え過ぎや」
と、文句を返された。
かくして、オレは寒空の下、歩いて帰るコトになったのである。
なんでやねん!!
今日はピアノ練習日だ。幼い頃からよく辞めずに続けてると自分を誉めてやりたい。
「センセと呼べ。センセと!!」
去年金持ち大学を卒業して、同じピアノ教室の先輩から先生に格上げした、さかもっちはナマイキにも呼び方に文句を言う。
「知ってる。だから選んだんや。」
「いやがらせ?」
重ねて文句を言うと、もう知らん、と文句は流して楽譜を差し出してきた。
「え~!『月光』!?」
そして、よりによってオレの一番苦手な曲を・・・・
「やっぱ、嫌がらせ?」
なにもオレが嫌いなこの曲を選ばんでも・・・・!!
いじめなん?マジで!
「悪いな。選曲権はオレにあるんや」
ニヤリと笑った顔は、非常に嬉しそうでにくたらしい。
「つまらない曲だと、思っとんやろ?」
オレは大きくうなずいた。
出だしの単調なリズムとメリハリのないメロディは、おもんないし、最後はものすごい連打で弾くのめっちゃむずい。
聞いても弾いてもオレにあわん曲やと思うてる。
それに・・・・
「月ってあんなイメージやないやん!」
「そうか?お前は月見て、切なくならんか?
・・・オレはある。」
聞かれて、首をかしげたら、鼻さきで笑われた。
「コドモやなぁ。オマエは・・・・。
切ないほど綺麗な月を見上げた時に、『月光』を弾きたくなる日がくるんや。」
そういって、さかもっちはピアノ室の重いカーテンを開けた。
「今日は綺麗な満月やないか。
ちょうどいいから、歩いて帰れ!」
「え~!!」
確かに今日はそんなに遅い時間じゃないケド・・・。サムい!!
「さかもっち、デートやからなん?」
横目でヤユってみてもさかもっちは動じず、逆に
「匠海、高2にもなって甘え過ぎや」
と、文句を返された。
かくして、オレは寒空の下、歩いて帰るコトになったのである。
なんでやねん!!