キミをのせて
その時も今日みたいに不意に現れたんだ。
慧くんが私の前に。
『えっ!?』
ちょっと不機嫌だった私は声を掛けられても
少し態度が悪かった。
「あっ、ごめんね。
違うならいーんだけど体育館あっちだよ?」
『えっ…』
正直びっくりした。
まさかいきなり会った人に
そんなこと言われるなんて考えてもいなかったから。
「??」
驚いている私に慧くんはやっぱり笑顔。
「違ってた?」
『…いいえ、合ってます…』
自分がどうしようもなく恥ずかしい
と思った瞬間だった。
「顏真っ赤だよっ?
俺も行くから付いてきなっ」
カァーッ…
そんなこと言われて
自分で意識しちゃって顏はりんごみたいだった。