キミをのせて
慧くんはからかうつもりで言ったのかな?
それとも天然?
ちょっと前を歩く背中を見つめながら歩いた。
なんだか周りから見たらきっと変な感じだったと思う。
体育館はそれほど遠いところではなく
案外すぐに着いた。
その間の会話はなし。
『……。』
「着いたよっ、体育館。」
『ありがとうございました』
きちんと頭を下げ、お礼をする。
「そんな別にいいよ。
俺も今から体育館行くしさ。」
そういえばこの人って
もしかしてバスケ部なのかな?
『バスケ部なんですか?』
「俺っ?そーだよっ♪
藤学男バス18番。」
藤学の18番って確か
前にお兄ちゃんが言ってた
あの1年ルーキーか…。