キミをのせて
『あっ、おはよう…ございます?慧くん。』
「おっ、ちゃんと挨拶できたじゃんっ♪
今年からよろしくな後輩くん。」
さっきまでのテンションは一体どこに行ったのか
っていうくらい一気に私はおどおどする。
徐々に私の頬は赤く染まっていく。
そして相手を伺うように相手の顏を見上げる。
「ん?どーした?」
満面の笑みを私に向ける。
渡辺 慧─わたなべ けい
それがこの人の名前。
1コ上藤咲学園2年。
バスケットボール部所属。
つまりお兄ちゃんの後輩。
そして
私の片思いの相手…。