キミをのせて
「ちょっとー?」
さっきからの私の様子をニヤニヤして見ていた皐月が
近寄ってきた。
「よかったじゃんっ!
よくがんばりましたっ」
皐月は私が慧くんのことを好きなことを知っている
唯一の人。
『えへへっ』
一丁前に赤く熱った顏を手で覆い隠す。
ほんの一瞬。
ほんのちょっとの幸せ。
片思いをして知る、
この気持ち。
そのはじまりが1年前…。
それが私が慧くんに片思いしている期間。
そしてその日ははじめて慧くんに出会った日。
慧くんとはじめて会った時も
今日みたいな青空の中たくさんの桜が舞っていた。