キミをのせて

「ちょっとー?」



さっきからの私の様子をニヤニヤして見ていた皐月が
近寄ってきた。



「よかったじゃんっ!
よくがんばりましたっ」




皐月は私が慧くんのことを好きなことを知っている
唯一の人。



『えへへっ』


一丁前に赤く熱った顏を手で覆い隠す。



ほんの一瞬。
ほんのちょっとの幸せ。


片思いをして知る、
この気持ち。





そのはじまりが1年前…。




それが私が慧くんに片思いしている期間。

そしてその日ははじめて慧くんに出会った日。





慧くんとはじめて会った時も
今日みたいな青空の中たくさんの桜が舞っていた。


< 8 / 21 >

この作品をシェア

pagetop