君と一緒にいたい
寂しい
12月24日、クリスマスイヴ。

そして今日は終業式。

「おはよ、真由ちゃん」

後ろから声をかけてくるのは拓海くん。

私の彼氏。

まだ付き合って3ヶ月。

先日、ようやく初デートをしたばかり。

忙しいのは仕方ない。



だって拓海くんは。

高校生でありながらバイクのレースに出ているから。

今年はシリーズチャンピオンにもなって。

雑誌とかにもよく出ていて。

顔もまあまあ、カッコイイから。

人気もあって何かと大変。



…何だか遠い人みたいで。

寂しくなる。



「ごめんね、真由ちゃん」

私の前の席の椅子を勝手に借りて拓海くんは私の顔を覗き込んだ。

「えっ…?」

拓海くんの瞳をじっと見つめる。

「今日、お店で宴会するんだって。
…本当は二人で出掛けられたらいいんだけど」

手を合わせる拓海くんに私は首を振って

「いいよ!
また今度、落ち着いたら遊びに行こうね」

拓海くんはその言葉に安堵した笑みを浮かべた。

…本当は一緒にいたいのに。

言えない…
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