聖夜(クリスマス)の奇跡

恋人のいないフリーの人に声を掛けているのだろう。


私もそのうちの一人に思われた、ってことか。 


まっ、結果的にはそうなるけど、島田くんのお誘いは丁重に断った。 


やっぱりクリスマスや誕生日は、一年に一度の特別な日だから……。


それに、悠斗を裏切るような気がして、他の人と楽しむ気分にはなれない。


「本当にごめんね」


「いいよ、気にしなくて!
じゃあ、次回は一緒に飯食いに行こうね!いい店、探しておくから」


島田くんは爽やかな笑顔を残して、部屋を出た。


適当に相槌を打ち、私も荷物をまとめ、帰り支度を始めた。



< 6 / 30 >

この作品をシェア

pagetop