残酷天使のララバイ~The last love songs~
† 盗み聞きの報酬
「……三十分のはずじゃないか、この!」
僕を外へ。
ジュエリー・スターの甲板へ連れ出した刑務官。
ルシィへの口答え、とかって言う、何だか良くわからない理由で。
後からやって来た年長の刑務官に、約束の時間をさらに半分減らされた。
まだ、休憩時間が残っているらしいルシィは甲板に残っているのに。
僕だけ、面白くもない自分の部屋に、帰されてしまった。
どん、と背中を押されて個室……と言えば聞こえはいいけれど。
実は独房でしかない、自分の部屋に。
乱暴な年長の刑務官に追い込まれた。
「……ってぇな!
酷いじゃないか、一方的に!」
転ばされて床に手をつき、見上げれば。
電子警棒を持った刑務官が、口の端を歪めて手を振りあげた。
次の瞬間。
とりあえずは、まだ電気の入っていない警棒が、ものすごい勢いで迫ってくる。
ガッ!
僕は、とっさに避けたものの。
首から下げている、エンゼルのコアだけを薙ぎ払い。
その鎖を切って、てんてんと床に転がした。
エンゼルのことは、大嫌いだったけれど。
その、あまりの乱暴な扱いに、僕は思わず目を見開いた。