残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……なにするんだっ!
 そのエンゼルのコアは、僕だけのものじゃない!
 僕が、巨人に乗って戦わなくちゃ、誰が地球を守るって言うんだ……!」

「……犯罪者が、偉そうなことを!」

 抗議をあげかけた僕の胸ぐらを、刑務官は掴んだ。

 そして、自分の目の高さまで、持ち上げて、鼻を鳴らす。

「罪滅ぼしのために、ちょっとヒト様の役にたっているから、って生意気な!
 お前の代わりなど、山ほどいるんだ!
 大事なコアを守るため、自分が警棒に打たれれば良かったんだ」

 もし、コアに傷でもついてたら、お前のせいだからな!

 なんて。

 理不尽な言葉と一緒に、僕を床に放り投げて、刑務官は僕の部屋の重い扉を閉めて去って行った。

「……ちっく……しょ!」

 自分の住んでいた部屋の、浴室の天井裏から女性の遺体が見つかって以来。

 もう、ずっとこんな扱いばかりをされていた。

 夢の切れ端の中で、死んでしまった女のヒト達に会ったような気はしてたものの。

 僕が殺人を犯した記憶がなかった。
 

< 101 / 132 >

この作品をシェア

pagetop