残酷天使のララバイ~The last love songs~
 
 ハイスコアをあげるたびに、外へ出ることを希望して。

 色々なルートを通って甲板へ上がり。

 そのたびに、僕の目や耳の代わりになるセンサーを置いて来たから。

 もう、だいぶ、色々な情報が手には、入っている。

 だからと言って。

 もちろん。

 このマザーシップの中枢である艦橋や、会議室の中に入れるわけではないので。

 今までに使える情報は、手に入って、なかったけれど。

 完全に僕の部屋の扉が閉ざされ。

 人の気配がなくなると、僕は大きなため息をついてエンゼルのコアを拾い……。

 ベッドのマットレスの中から、手づくりのコンピューターを引っ張り出した。

 そして。

 今日、初めて行った甲板に、一つだけ取りつけた盗聴器の調子を見た。

 本当は、甲板なんかでなく。

 どこか目立たない廊下の隅当たりが良かったんだけども。

 ルシィに隙がなくて、無理が出来なかったんだ。
 
 今日は特に、大した成果を期待していたわけじゃない。

 刑務官に跳ね飛ばされた事が判ったら。

 確実に機嫌が悪いだろう、エンゼルと。

 なにもよりによって、今日初めて話し合う気もない。
 
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