残酷天使のララバイ~The last love songs~
 



「……おい、チビ。
 今日は、エラく浮かない顔だな。
 昨日の自由時間を減らされて凹んでんとちゃうか?」

 戦闘訓練の隙間の短い休み時間。

 オパール……クマにそう、話しかけられて、僕はやっと我に返った。

「ああ……。まあ、ね」

 本当は、昨日盗聴した情報がショックで、落ち込んでいたのだけれど。

 まさか、全部を話すわけにはいかない。

 命を縮めて盲目の巨人を操縦し。

 地球を守る仕事が、本当はタダのGameだなんて。

 しかも、それを始めたのが、僕かもしれないなんて……!

 ルシィも、年かさの刑務官も、ジュエリー・スター内で特別地位が高いわけではない。

 本当は、休み時間に昨日見たテレビや、小説の話をしていただけかもしれなかった。

 だけども。

 ヤツらの話は妙に真実味があって……。

 あとから、エンゼルに直接聞こうにも。

 やっぱり調子が悪いのか、あれからコアは完全に沈黙して、今は修理に出している。



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