残酷天使のララバイ~The last love songs~
 スフィンクスは、今。

 オパールのヴィーナスと交戦中だ。

 スフィンクスの操縦者も中々上手いけれども。

 僕が来るまで、ハイスコアの常習者だった、オパールの敵じゃない。

 しかも、蝸牛制のバトルパートナーは、エメラルドのヤツに劣るから。

 このままでは、スフィンクスは沈む。

 もし、これに茜が乗っていたとしたら……と。

 考えただけでも、ぞっとした。

「エンゼル!」

『No~~!』

 どうしても、僕の願いを聞こうとしてくれないエンゼルに。

 僕は、思わず叫んでいた。

「エンゼル!
 お前は、昨日のルシィなんだろう!?
 ルシィ!
 ルシファード・ブルー!
 頼むから、僕の命令を聞け……!」

 なんで。

 ただ、ルシィとしか聞いてなかったあいつのことを。

 ルシファード・ブルーなんて言ったのか、わからない。

 ただ、妙に呼び慣れたように感じる言葉が僕の口をついて出て。

 その、僕の言葉を一瞬。

 息を呑んだようにして聞いていたエンゼルは、いきなり口調を換え。

 おとなしく、僕に従った。





『……全ては、我が主の仰せのままに……』


 
< 112 / 132 >

この作品をシェア

pagetop