残酷天使のララバイ~The last love songs~
 

 えっ!!

 僕が、なんだって!


 そこまで、思考がめぐって。

 僕は驚き、半分身を起こした。

 だけども。

 友軍のミサイルの直撃を受けて、壊れたエンゼルの半分が。

 僕の下半身を抑え込み、それ以上身動きが取れなかった。

 しかも。

 辺りは一面火の海で。

 耐火構造になっているはずの、僕のパイロットスーツでさえ、白煙をあげている。

 僕は、火の真ん中に落ちて、燃えているんだ!

 冗談じゃない!

『死』という言葉が、頭に浮かび、僕はもう一度パニックを起こした。



「うああああああっ!」



「蒼!!」

 火勢が強くて、茜は僕に近寄れない。

 ワケの判らない、叫び声を上げ続ける僕に、茜はどうしていいのか混乱して、泣きそうな顔になった。

 僕自身も落ち着こうと考えるのに、どうしても叫び声を止めることができなかった。

「蒼!!!!!」

 魂がちぎれそうなほどの茜の叫び声に、ひどく落ち着いたその声が重なるまで。
 


「……陛下、お静まりを。
 あなたは、燃える火などでは、死にません」
 
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