残酷天使のララバイ~The last love songs~
 
 ……な、なんだって!?



 火に焼かれても、大丈夫。

 僕が少し前に思った記憶を、まるでなぞる様に言う声の主は。

「エンゼル……いや。
 ルシファード・ブルー!」

 少し落ち着き、思わず叫ぶその名前に、ルシィはちらと笑った。

「……私の名は、完全に思いだしておいでか」

 そう。

 ルシィが【盲目の巨人】のCPUが入っているはずの、頭の部分から出てくるところだった。

 昨日見た作業服姿、そのままに。

 しかし、肩まで、まくりあげた袖の下には、両腕がなく。

 コードが束になって、天使の羽のように見えるほど。

 ずるずると引きずっているようだったけれども。

 そう、思えたのは、一瞬で。

 コードの束は、あっという間に人間と同じ手になった。

 そして、ルシィは。

 燃える火なんてモノともせず僕に近寄ると。

 僕の両脇に、新しく出来た自分の手を突っ込み。

 障害物から、僕のカラダを引きぬいた。

 そして、僕が燃えている、皮膚の部分をテキパキと剥がしにかかる。

「……っ!」


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