残酷天使のララバイ~The last love songs~
「それじゃァ、あんたは!
 記憶を無くしたふりをして、わたしを莫迦にしてたのね!?」

「違っ……!
 僕は、今まで本当に全部忘れてて!」

「信じないわよッ!
 それに、あんたが、エメラルドなら!
 あの浴室の上から出て来たヒトたちは、あんたが殺したんでしょう?
 命を食べたから、みんな干からびて……」

「本当に、知らなかったんだ!!」

 そんな、僕の必死の叫びに、茜は激しくクビを振って叫んだ。

「そうよ!
 蒼が、ヒトを殺すなんて絶対ないのに!
 返して!
 蒼を返してよゥ!!
 もう、わたしには、蒼しかいなかったのに!
 今まで、ずっと蒼のコトが好きだったのに……!」

 事故の前も、その後も。

 ずっと、蒼のコトが好きで。

 犯罪者として、連れて行かれた、蒼のコトを。

 ずっとずっと心配していたのに、と。

 大好きな茜が、激しく泣きじゃくる。

 だけども、彼女の肩を抱いてやることもできず。

 僕も、ココロの中で泣いていた。

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