残酷天使のララバイ~The last love songs~
「記憶のないあなたが、蝸牛星のバトル・パートナー搭乗のための適正検査を受けるという話だったので。
 地球人『蒼・キサラギ』として半ば強引にナイツに、なっていただきました。
 なにしろ、そんな検査を受けたら一発で。
 あなたがエメラルド星人だというコトが判ってしまいますから」

「……」

「一応、母艦ジュエリー・スターに乗り組んでいるエメラルドの者たちは、あなたの味方と言うコトになっていますが、確証がありません。
 ことは、複雑で。
 あなたの記憶が戻ったからと言って、何も解決したわけではありません。
 あなたの暗殺を企てた者も、まだはっきりしてませんし。
 次に白賢帝が直接視察に来るまで、あなたが生きているコトが判ればまた命を狙われるでしょう」

「……」

「……それでも、すべてを解決できたら。
 もしかしたら、あの娘と、ちゃんと話をすることが出来る日が来るかもしれませんね」

 だから、その日までまだしばし。

『蒼・キサラギ』の姿を借りて大人しくしてろ、ルシファードは、言う。

 僕の実の兄で。

 絶対の味方である帝と僕自身の二人で。

 仲良く作られた人工知能の自分は。

 僕を裏切らないから、とエンゼルの本当のコアは言う。

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