残酷天使のララバイ~The last love songs~
天気は、快晴。
真冬の空は、雲一つ無く澄んでいて。
空と海との間には、一本の線しか存在しない。
僕の一番大好きな景色だ。
そして。
僕の【エンゼル】も。
YAAHOOO~~!!!!!
エンゼルが、ご機嫌に叫んだ。
普段、数値と記号でしか認識出来ない【外】の情報を、僕の視覚を通じて、色のついた景色として見るコトが出来たんだ。
僕の乗り込んでいるコックピットを、人間で言うなら心臓の部分に埋め込んだ巨大な人型兵器。
バトル・パートナー【盲目の巨人・エンゼル】が飛ぶ。
全高30メートルの巨体を軽々と空に浮かばせる、大きな白銀の翼を広げて。
ぐるぐると回転しながら。
高く、低く、躍るように。
そうなると、もう。
あっという間に、蒼の世界では、どちらが海か空か、判らなくなった。