残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……じゃあ、何をしたんだ?」

 ルシィの無表情に見える瞳の奥に。

 何か見えたような気がしたけど、僕は無視した。

「罪が、確定して、服役中の人間は。
 罪を人に話す義務はないハズだ。
 例え、刑務官と言えども、個人のプライバシーをほじくり返す権限は………っ!」


 がしゃがしゃがしゃっ!


 重い手錠の鎖をいきなり引かれて、僕は転びそうになった。

「……!
 なにすっ……!」

「……生意気な口をたたかない方がいいぜ?
 特に、人目の無い場所じゃ、な」

 ルシィが、帽子の下から、底光りする視線で僕を見た。

「お前の言っていることは、正しいが、それを守るやつは、ここには、居ない。
 ……一人も、な」

 聞かれたこと。

 要求されたことには、素直に従えと。

 また、転びそうになるほど鎖を引っ張られて、僕は、ココロの中で毒づいた。


 ……コイツも、結局。

 さっきの奴と同じか……くそ。

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