残酷天使のララバイ~The last love songs~
「でもさァ。
 半年前までは、蒼も喜んでガッコに行ってたじゃない。
 今だって、心配している友達もいっぱいいるのにさァ。
 何で、急に行かなくなっちゃったワケ?」

「……」

「やっぱりィ。
 ……あの事故のせい?」

「……」

「まだ、ムカシの記憶……
 一個も思い出さない?
 仲良かったヒトの顔、1人も思い出せないのがツラくてガッコに行かないのかなァ?」

「……やかましいな!」

 不機嫌になった僕の声に、驚いたのか。

 小さく喉を鳴らして。

「わたしだって頑張っているのにッ」

 って泣きそうな顔になった茜に、僕は慌てて手を振った。

「大きな声を出して、悪かったよ。
 僕は、怒ってないから、泣かないで?」

 ……仕方ないなぁ。

 僕は、稼動していたパソコンを切ると、茜の顔をちゃんと見た。

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