残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……蒼?」

 怪訝な。

 そして、心配そうな顔の茜に、僕はほほ笑んで見せた。

 ……焼けつくような、渇きを隠して。

「ごめん……
 僕は、大丈夫だから……茜は友達と買い物に行きなよ?」

「でも、蒼ゥ~~
 何か、変……」

 そう、茜が言いかけた時だった。


 突然。




 ぎゃあぎゃあ、というカラスが鳴きわめく声が聞こえてきた。


 普通じゃない、その鳴き声に振り返って、僕は、どきり、とする。



 見れば。



 公園から、通りを挟んだ向こう側を信じられないものが歩いているのが見えた、から。



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