残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……え?
 でも……」

 茜に、抱きつかれて、ぞわわっと。

 更に強くなってくる衝動を、抑えて僕は、かすれた声を出した。

「テレビや……雑誌で見るアイツらは。
 それに「謝罪」に来たヤツを実際に見た限りでは。
 エメラルドのヤツらは、もっとマシな外見をしてたはずなのに……」

 僕の知っている、エメラルド星人は。

 半透明の肌を持つ。

 ガラスか、水晶細工のように繊細でキレイなヤツらだった……と思ってた。


「……多分、あれ。
 エメラルドの軍人さん、だよ?」

「……え?」

「エメラルド星人の透明な肌は、キレイだけど、そのままだと、とても傷つきやすいんだって。
 だから、それを保護するために、より強い皮膚を持つ生物に擬態する能力があるって」

「へ、へえ」

「だから、一般のヒトビトは、透明の肌のままで居るけれど……
 皮膚を傷つける危険のある仕事をしているヒトは。
 自分の意志で、皮膚を変化しているんだって」

「じゃあ。
 別に、道路工事とか、危険作業をする人も、あんな感じ?
 だったら、なんで茜はアイツらが軍人だってわかったの?」
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